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各種疾患による顔面神経麻痺、顔面および眼瞼けいれんを扱います。 顔面神経麻痺については麻痺発症後早期の予後診断(顔面神経麻痺が改善するのにどの位期間がかかるか、 またどの程度まで治るのかの判定)とフォローアップの診察が中心ですが、陳旧性麻痺(発症から長期間がたち、 一定以上の改善が見込めないものを指します)の診察も行っております。
外来は毎週月曜日の午後に行っております。稀に臨時休診となることがございますので、お電話でのご予約時にご確認下さい。 受診の際には紹介状・検査所見(もしあればCT,MRIなどの画像)を紹介元よりお持ちいただけると診察がよりスムースになります。 原則として、初診時にはまず午前中の一般外来を受診していただき、 聴力検査等顔面神経の診察に必要な最低限の検査を行った後顔面神経外来を予約していただくシステムとなっております。 ただし緊急性のある場合はこの限りではありませんので月曜日の午前中に受診して頂ければ可能な限りその日の内に各種検査をさせていただきます。 また他院で入院加療中の顔面神経麻痺の患者様に外出という形で当院を受診していただき、 予後診断のみ行って御報告するという形も行っておりますのでご利用下さい。
特徴
受診患者様全員に、表情筋電図、ENoG、NET、瞬目反射による予後診断とフォローアップを施行しています。
ベル麻痺、ハント症候群の陳旧例に対しリハビリテーション指導、ボツリヌストキシン治療、また形成外科と連携して外科的治療を行っています。
- ステロイド療法
- ボツリヌストキシン治療
- 麻痺後後遺症の治療
対象となる症状
ある日突然目や口など、顔の対称性が崩れてしまった(これを顔面神経麻痺と呼びます)。
生まれつき上記症状がある。
顔面神経麻痺と診断され治療をしたが改善しない。
顔面神経麻痺後、目を強くつぶると口が引きつる。あるいは口に力を加えると目が閉じてしまう。
目や口の周囲がぴくぴくとけいれんする。
対象となる疾患
ベル麻痺、ハント症候群、外傷性顔面神経麻痺、聴神経腫瘍に伴う顔面神経麻痺、先天性顔面神経麻痺、眼瞼痙攣、顔面痙攣など
顔面神経外来の主な検査と説明
筋電図検査
顔の皮膚に記録電極を貼り、表情運動(閉眼、イー、ウーなど)を行った時や顔面神経を刺激電極で刺激した時の顔面の筋肉の電気活動を記録します。 筋電図検査には予後診断に有用なものと回復過程の判定に有用なものがあり、両者を患者様の状態に応じて組み合わせて施行しています。
血液検査
ベル麻痺やハント症候群の原因となるウィルスの抗体量を測定します。発症直後と数週後の値の変化をみて確定します。
側頭骨、頭部CT, MRI
骨折や腫瘍等の顔面神経麻痺を引き起こす疾患の有無の確認に有用です。
上記の各検査の他、シルマー試験、電気味覚検査等を実施しています。なお、患者様のデータはなるべく早く紹介元の先生方にご報告しております。
治療法
新鮮例に対しては基本的に外来における投薬(ステロイド剤、抗ウィルス剤)を行っていますが、 糖尿病合併例でステロイド使用時にインスリン管理を必要とする場合や難聴・ めまいを伴うハント症候群に対しては程度により入院していただいて点滴治療を行っています。
顔面神経外来で行われている特別な医療について
ステロイド療法
強力な抗炎症薬である副腎皮質ステロイド剤を発症後なるべく早く開始することで、顔面神経の炎症とこれに続発する神経の変性を最小限に食い止めます。 外来での内服治療を基本としておりますが、糖尿病のある方でステロイド剤使用時にインスリン管理を必要とする場合や難聴・ めまいを伴うハント症候群に対しては程度により入院していただいて点滴治療を行っています。
また場合により抗ウィルス剤を併用することがあります。
麻痺後後遺症の治療
麻痺後後遺症に対してはバイオフィードバック法(自宅で行うリハビリ法)やボツリヌストキシン注射による治療を行っています。 また当院形成外科と連携し手術的な方法を検討することもあります。