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気管食道・嚥下外来(火曜・木曜午前)

  • 嚥下圧測定
  • 嚥下CT検査
  • 嚥下機能手術(嚥下改善手術、誤嚥防止手術)
  • 喉頭・気管狭窄に対する手術

音声外来(月曜・木曜午後)

  • 音声指導
  • 音声機能外科手術
  • ハイスピード声帯振動検査

気管食道・嚥下外来

気管食道外来では主として、のどや気管、食道における悪性腫瘍を除く病気について診療を行っています。 特に飲み込みの障害(嚥下障害)について力をいれて診療しています。 診療は毎週火曜日と木曜日の午前に行われています。原則的に予約制となっており、一般外来で必要性があると判断された場合に予約をお取りします。 ただし、当外来宛てのご紹介状をお持ちの方は直接受診可能です。

診療体制

新患数は年間400名前後で多数の患者さんを診療しています。喉頭疾患(喉頭腫瘍、喉頭肉芽腫、喉頭白板症、喉頭外傷、喉頭麻痺等)のみならず嚥下障害にも力をいれており、特に嚥下機能検査については午前に外来で診察、午後に検査を行って1日で評価ができるようにしています。診療は音声外来と同じ医師が担当しています。

治療方針

初診では喉頭内視鏡により、のどを中心とした診察を行い、データは画像でカルテに残します。 嚥下障害の患者さんの場合、嚥下内視鏡検査を行い、病状に応じて嚥下造影検査を行います。声帯麻痺症例では食道透視による食道病変の精査、 またCT等による反回神経の走行にそった評価を行っています。組織検査を必要とするような喉頭の病変については外来(内視鏡室)での局所麻酔による検査を行うか、入院して全身麻酔による手術により行うかを評価し、外来で行うことができる患者さんについては積極的に内視鏡室で行っています。 喉頭白板症に対しては、切除のみでなく、炭酸ガスレーザーによる蒸散も行っています。
リハビリテーションによっても改善しない重症の嚥下障害に対しては積極的に手術を行っています。ただし、嚥下障害は手術のみではよくならないものであり、術後の摂食嚥下リハビリテーションができる施設と連携をとって手術の計画をたてています。当院の特徴としては、手術後1~2か月間は耳鼻咽喉科病棟で摂食嚥下リハビリテーションを行いますので、安心して治療を受けて頂くことができます。

得意分野

嚥下障害についても嚥下圧透視同時測定装置を開発して診療に投入し、最先端の診断、治療を行ってきました。近年話題となっている逆流性食道炎による咽喉頭症状に対しても積極的に取り組んでいます。さらに2014年から嚥下CT検査を開始し、嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査に加えてさらに詳細に病態を把握することが可能となりました。

対象となる症状

声がかすれる
ろれつがまわらない
うまく飲み込めない
ものを食べるとむせる
むせが原因で肺炎をおこしている可能性があると言われた
のどに異物感がある
のどの奥にできものがあると言われた
咳の原因が内科の病気では無いと言われた
誤って、異物を飲み込んでしまった
気管カニューレを抜去できなくなってしまった

対象となる疾患

喉頭麻痺(声帯麻痺、反回神経麻痺)、混合性喉頭麻痺、喉頭良性腫瘍、喉頭肉芽腫、喉頭白板症、早期喉頭悪性腫瘍、喉頭外傷、咽喉頭異常感症、咽頭良性腫瘍、気管狭窄、甲状腺疾患、嚥下障害

主な検査と説明

喉頭内視鏡検査 電子内視鏡を用いてのどの状態を観察します。
嚥下内視鏡検査 ゼリーや水を飲み、のどを通過する様子を内視鏡で観察します。
X線透視検査 バリウムを飲み、のどや食道を通過する様子をレントゲンで観察します。
CT・MRI検査/超音波検査
喉頭外来手術 外来で局所麻酔下にのどの病変を試験切除し、病理検査を行います。

 

外来内容一覧

火/木

午前 気管食道外来(初診、再診)
午後 X線透視検査/喉頭外来手術

 

気管食道外来で行われている特別な医療について

嚥下圧測定 必要性がある場合に嚥下造影検査と同時に施行いたします。嚥下造影検査では分かりにくい、のどの圧力の変化を測定できるため、 嚥下障害の診断やリハビリテーション・手術などの治療に役立ちます。
嚥下CT検査 必要性がある場合に施行いたします。いままでの検査では分かりにくい、嚥下時の声帯の動きや立体的な造影剤の通過状況がわかり、嚥下障害の診断や治療に役立ちます。
嚥下機能手術(嚥下改善手術、誤嚥防止手術) 脳血管障害や頚部の手術のあとで飲み込みが悪くなった場合、外科的な治療で症状が改善される場合があります。リハビリテーションによっても改善しない重症の嚥下障害に対して、嚥下機能改善手術と誤嚥防止手術を行っています。手術によって経口摂取ができるようになったり、肺炎を予防することができます。嚥下機能や全身状態などを詳細に評価して手術法を決定します。詳細な検査により、効果が期待できると判断された場合には積極的に行っています。また、症例によっては誤嚥防止手術が適応になりますが、局所麻酔で可能な方法など患者さんに合わせた手術を選択します。
喉頭・気管狭窄に対する手術 外傷や気管内挿管後に生じた喉頭や気管の狭窄により気管カニューレが抜去できなくなってしまうことがあります。詳しい検査を行った後、喉頭や気管を再建する手術を行います。

 

重度嚥下障害患者さんへの誤嚥防止手術

当科はこれまでに100症例以上の患者さんに、誤嚥防止手術を行っており、良好な術後成績を得ています。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36939382/

誤嚥防止手術によって、「口から食べる」ことや「吸引回数を減らす」ことができます。

誤嚥防止手術には多くの術式があり、患者さんの状況によって適切な術式や方法を選んで行っています。

治療をご希望の患者さんがおられましたら、気管食道外来を受診ください。

頭頸部がんに対する化学放射線療法中の患者さんのための摂食嚥下リハビリテーション

頭頸部がんに対するに対する化学放射線療法中の患者さんは、放射線や化学療法の影響により飲み込み(嚥下)に影響が生じることあります。化学放射線療法を受ける患者さんが、安全に食事が続けられるように、リハビテーション部と協力し、化学放射線治療開始前から摂食嚥下リハビテーションを行っています。
→頭頸部がんに対する化学放射線療法中の患者さんのための摂食嚥下リハビリテーションについて

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音声外来

最近は趣味としてのコーラスやカラオケが盛んになり、声の質を気にされる機会が多くなってきています。 かすれた声を嗄声(させい)といいます。原因はいろいろありますが、有名なものでは声帯ポリープという病気があります。 歌手の方がなる病気で皆さまも聞いたことがあると思います。治療には発声指導、薬物療法や手術療法があります。 個々の患者さんの状態や状況によって最適かつ最良の治療を選択していきます。 木曜日午後に初診の患者様、月曜日午後に再診の患者さんを診察しています。年間約150名の新患患者を診察しています。 最適なアドバイスができるよう、各種検査を用いて丁寧に行います。

音声外来では主として咽頭、喉頭、気管、上部食道における疾患について診療を行っています。 特に音声障害については症例も豊富であり、最先端の治療を行っています。

診療体制

音声外来は新患患者が年間約150名で、多数の症例を診療しています。喉頭疾患(声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯溝症、声帯萎縮) の診療が主ですが、音声障害に加えて嚥下障害が疑われる場合、嚥下機能検査も追加で行います。

治療方針

声帯萎縮や声帯麻痺などに対する声帯内コラーゲン注入術、声帯瘢痕に対する声帯内トリアムシノロンアセトニド注入術は、外来ベースで行うことを基本にしています。 声帯ポリープやポリープ様声帯、反回神経麻痺に対しては入院で手術(局所麻酔または全身麻酔)を行っています。

得意分野

東京大学医学部の旧音声言語研究施設と交流があったため音声疾患については膨大な症例と治療経験を有します。

対象となる症状

声がかすれる
声が出しにくい
歌声がかわってしまった
鼻にぬけるような声になる

対象となる疾患

声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯萎縮、声帯溝症、反回神経麻痺、声帯瘢痕、発声障害、痙攣性発声障害、変声障害、歌声障害、構音障害等。

この外来の主な検査と説明

喉頭内視鏡検査 細い内視鏡を用いて、喉頭や声帯の状態を観察します。
ストロボスコピー 声帯の振動、閉鎖、波動などの機能を測定します。音声機能の基礎的データを得ることができ、治療に役立てます。
ハイスピードカメラ ストロボスコピーでは評価できない症例に対して、最新のカメラをもちいて喉頭の状態を検査します。
音響分析 実際に文章を声に出して読んで頂き、コンピューターにより音声を分析します。
空気力学的検査 声門(声を発生させる部分)の気流や声門下圧を測定します。これにより喉頭のエネルギー効率が推定できます。
筋電図検査 声帯麻痺に対して喉頭の筋肉の筋電図を行い病気の原因について検索します。

 

音声外来で行われている特別な医療について

ハイスピード声帯振動検査 高速で振動する声帯をデジタル信号としてとりこみ1フレームごとに解析を加えることのできる検査です。 ストロボスコピーでとらえられないような同期しない声帯病変でも評価することができます。
音声機能外科手術 喉頭微細手術、声帯内方移動術(喉頭形成術、披裂軟骨内転術等)等が代表的な手術ですが、 特に片側の声帯が外側に固定してしまっておこる声のかすれに対しての披裂軟骨内転術は局所麻酔でも行うことが可能で、全世界的にも優れた成績を誇っています。
音声指導 発声方法の指導をおこなうことで改善の見込まれる症例に対して行います。また、音声外科的治療後に指導を行うことで、再発を防ぎ治療効果をより高めることができます。

その他

各種手術後の反回神経麻痺の症例も経験多数。治療法も音声指導から、声帯内異物注入術・甲状軟骨形成術・披裂軟骨内転術まで症例によって選択しています。

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