ここでは女性医師の声を特集します。
「くじけそうなときも絶対仕事はやめないほうがいいよ」
「迷ったらこの医局の雰囲気を感じてみてほしいです」

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 男女共同参画への取り組み

女性医師の声

日赤医療センター

H12年入局

私は現在日赤医療センターで副部長として、手術を含む耳鼻咽喉科診療に従事しております。東大医局に入局して、様々な病院(東大、自治医大、NTT関東病院、東京警察病院、国立国際医療研究センター、日赤医療センター)で本当に多くの経験をさせて頂いて今日に至ることに大変感謝しております。当医局は出身大学や男女による差別がなく、自分の意思を尊重していただける自由な雰囲気があります。私も第一子出産直後に専門医試験を受けたり、その後今から医者としてスキルアップという時に第二子を妊娠出産したり、と仕事と家庭、育児の両立が大変な時期も多くありましたが、関連病院の部長ならびに上司、同僚、後輩に恵まれ、その難局を乗り切ることができました。現在は子供も中2、高1となり、子育ても終盤を迎え、私自身の気持ちも家庭から仕事に再びシフトし、日々充実した毎日を送っております。その間に大学院にも行かせていただき、学位も取得することができました。今振り返ってみますと子供が小さいときは周囲に多大なるご迷惑をおかけしましたが、どこの関連病院に行っても、温かく支えてくださりました。今度は私が恩返しとして、医局の後輩、女性医師を支えるお手伝いができればよいかと思っております。耳鼻科は子供から高齢の方まで幅広い年齢層を対象とした科です。子育てを半ば終えた今思うと、子育てはとても日々の診療に役立っています。新生児の扱い、成長過程、男児、女児の考え方、行動パターン、親の心情、祖父母の心情、など手に取るようにわかるので、診療でもとても役に立ち、寄り添うことができます。(自分の子供に寄り添うほうが難しいですね。)子育て期は多少遅れをとっても継続して仕事をすることで、後につながればよいのではないかと思います。当医局は人数も多い分、多彩な才能を持つ人材が集い、魅力的です。仕事での活躍の仕方も、生活面でもバリエーションが豊富で参考となるケースが多いのではないでしょうか。女性であることでデメリットを感じることはほとんどありません。皆、それぞれに自分をもって突き進んでいる感じです。それを許容してくれる、そんな魅力がある医局と思います。

東京逓信病院

H14年入局

私は現在公立昭和病院で医長として勤務しています。
子供は4歳と2歳になりました。
第1子出産前から現在の病院で北原部長のご指導の下に勤務しており、業務内容は手術や緊急入院も多く、両親からのサポートが受けられない環境にもあり、出産後の復職には大変不安が大きかったです。
復職にあたっては医局から増員という形でご支援頂き、勤務時間に制限があるため上司や同僚からもサポートして頂き、何とか育児と両立しながら勤務を続けています。
また同じ医局員で、育児をされながら研究や勤務を継続された女性の先輩や同期に様々なアドバイスを頂けたことも大きな助けとなりました。
苦労が多い中でも勤務を続けられたのは、医局からのサポートを頂けたことと、臨床の面白さを追求したいという気持ちがあったからだと思います。
当教室には耳科、鼻科、頭頚部腫瘍、喉頭のどの分野でもスペシャリストの先生がいらっしゃり、丁寧にご指導頂けたこと、大学病院、関連病院で多くの経験を積ませて頂けたことが現在の礎となっていると感じる日々です。
制約が多い環境でも臨床医として活躍の場を与えて頂き大変感謝しております。

子育てと両立中の医師の声

JR東京総合病院

H27年入局

私は現在市中病院の耳鼻咽喉科医としてフルタイムで働く2男児の母です。
1人目は入局1年目の7月、2人目は入局4年目の9月に出産し、それぞれ翌年度の4月に復帰しました。そして入局6年目に無事耳鼻咽喉科専門医を取得しました(本来であれば入局5年目で取得できますがお休みを頂いた関係で1年遅らせました)。「育休が取れない!復帰したいのにさせてもらえない!」という他医局の噂も耳にする中、とてもスムーズに産休・育休・仕事復帰とご支援頂けた医局にはとても感謝しています。私は家に居るのが性に合わず、早期に復帰しましたが、もちろんゆったり育休をとることも、フルタイムの復帰ではなく、外来のみなどの条件付きで復帰することも相談に乗ってくれる医局だと思います。復帰に当たって保育園に入れるかどうか心配という方も多いと思いますが、関連病院の中には院内保育を併設している病院もあり、そちらを利用するという選択肢があるのも安心です。
当医局には女性医師も多く、男女問わずたくさんのモデルケースがあります。この文章を読まれている方は、未婚・既婚・すでに子供がおられる方、様々かと思いますが、必ず貴女がモデルケースにしたい!と思える医師がいます。女性医師の抱える問題は子育てだけには限らないと思います。臨床・研究・開業・結婚・子育て…相談したいときに相談に乗ってくれる人がいます。私も1人目の妊娠の際、このまま入局するのか、それとも子育てが落ち着くまでお休みするのか、とても悩みました。そんな時に同じような境遇であった医局の先輩に相談させてい頂き、「仕事と子育てどっちも100%完璧に出来る人なんていない、自分の出来ることを一生懸命やるだけやるしかない」と激励され、当時の医局長からも「最初から諦めるのではなく、やりたいならやって、やっぱり無理ならいつでも言って」と後押し頂き、妊娠6ヶ月で入局しました。慣れない環境・職場での仕事、初めての耳鼻科診療、妊娠中の眠気、手術の大事な場面での胎動など、実際働いてみると想像以上の目まぐるしさでしたが、気の置けない同期と優しい指導医の先生に囲まれて、無事産前休に入るまで楽しく働かせて頂くことが出来ました。相談に乗ってくれた先生方、支えてくれた同期、ほんの数か月でしたがこの経験があったからこそ、復帰後もスムーズに診療に戻ることもできましたし、今振り返って考えても今回の選択は私にとって正しかったと思います。人生において、どの時点でどのような選択をするのか、正解はないので、毎回悩むと思います。一人で悩まず周りに相談できる当医局はとても魅力的と感じています。もしご自身の人生プランにお悩みの方がいらっしゃいましたら是非当医局に遊びに来てください。

公立昭和病院

H25年入局

私は2013年に入局し、現在卒度6年目になります。入局前に妊娠が判明し、入局の際には妊娠6ケ月の状態でした。本来ならば、入局に際して、まず妊娠していることを医局の先生方に申し上げるべきでしたが、大変ためらわれました。わずかな勤務期間で産休に入り、出産後も育児休暇をいただくことで、入局早々大変なご迷惑をおかけすることになると思ったからです。ですが、そんな心配を他所に、妊娠のことを当時の医局長の先生に相談させていただいたところ、快く受け入れてくださいました。また山岨教授にご挨拶に伺った際も励ましのお言葉をいただき大変うれしく、また安堵したことを覚えています。結果的に、入局後2ヵ月間、大学病院で研修をさせていただき、10ヵ月間もの産休、育休期間をいただきました。また妊娠期間中の当直の免除や、研修するコースについてもご配慮いただき、産休前の2ヵ月間、体調を崩すことなく、充実した研修を送ることができました。復帰後も、子供の体調不良の際に早退させていただくことがありましたが、あたたかく見守っていただきました。医局の先生方にいろいろな場面でご配慮をいただき、深く感謝しております。私は現在都内の病院で研修をしております。関連病院が都内に集中していることは子育てをしながら働く立場としてメリットがとても大きいと思います。医局の先生方の中に子育てをしながら働く女性の先生も多くいらっしゃり、その先生方の背中をみながら、自らを鼓舞し毎日研修に励んでいます。

東京逓信病院

H23年入局

私は2人の小さい子供を育てながら、常勤医師として外来や手術をさせて頂いており、充実した日々を送っております。今、上の子は4歳、下の子は10ヶ月です。

私は、虎の門病院の常勤医師として勤務している際(卒後4年目)に長男を妊娠致しました。平日の妊婦健診も、快く行かせて頂けましたし、大きなお腹でも椅子に座ってできる手術は最後まで入らせて頂けました。長男は生後4ヶ月から保育園に預け始め、ゆっくりと慣らし保育をして生後6ヶ月で虎の門病院の常勤医師として復帰しました。当初は、もう少し復帰を延ばしても良いかなと思いましたが、いざ復帰してみるとちょうど良い時期だったと考えております。ブランクが少ないので、私自身としては手術技術が落ちるには至らなかったと感じておりますし、育児から開放され仕事に集中できる時間が良いリフレッシュになっていました。そして家で息子と過ごす時間をより大切にして過ごすことができました。また息子が急に熱をだして保育園から呼び出された時なども、周りの先生方が代診して下さる事もありました。本当に協力的でご理解のある先生方ばかりで、大変感謝しております。

その後、東京逓信病院へ移動となりましたが、この際も、保育園の送り迎えの都合などを考慮して頂けました。おかげさまで着実に症例経験を積むことができ、専門医の資格を取得できました。その後、待望の第二子を妊娠致しました。つわりで辛いときは、後輩医師のみならず、先輩医師までもが雑務を手伝ってくださり、つわり自体も仕事をしていると気がまぎれて、軽く感じました。産休育休中は、医局の送迎会に呼んで頂いたり、東大病院へ手術の見学にいかせて頂いたり、ゆったり楽しく過ごしていました。そして次男が生後10ヶ月の時に常勤医師として復帰させて頂きました。今も母乳の大好きな次男のために、病院で2回/日搾乳をして、翌日冷凍母乳として保育園に持って行っています。先輩たちが良く理解してくれていて、手術が縦に続くと「胸痛くない?搾乳しなくて大丈夫?」なんて声をかけてくださったり、本当に働きやすい環境です。体力的に疲れて夜は落ちるように寝てしまいますが、毎朝「今日もがんばろう♪」と思って気持ちよく出勤できるのは職場の皆様のおかげだと思っています。

私は幼少期に乗馬を習っていて、大きなサラブレッドに大人用の重くて大きなアブミでよじのぼって、馬にしがみついていました。そして医学生の時に、鼓室形成術で摘出されたアブミ骨を指先に乗せてもらって、本物そっくりな形やその小ささに非常に感動した事を覚えています。「人体で一番小さな骨を扱う手術をする耳鼻科の先生ってすごい!耳鼻科って面白そう。」と思ったのが、耳鼻科に興味をもった始まりでした。

耳鼻咽喉科は、各疾患に対して内科的加療から機能手術・悪性腫瘍の手術まで多岐にわたり習得することができる科です。勤務形態も大病院に在籍して手術をバリバリすることもできるし、開業して地域密着の先生になることもできます。また、世界でもトップレベルの研究をしている東京大学の各教室で研究を行いながら、臨床診療をつづけることもできます。私が東京大学耳鼻咽喉科への入局を決めたポイントは、色々な働き方があるのは、とても魅力的だと思ったからです。

そして、開業している先生を含め、医局員が多いので、自分のロールモデルを見つけられたり、相談相手になってくれる先輩医師も沢山見つかると思います。実際に、東京大学耳鼻咽喉科は、医局員の意思を理解してくれ、しっかりサポートしてくれる良い医局です。

迷っている先生がいたら、この医局の雰囲気を感じて欲しいです。大学病院でも関連病院でも良いので、まず見学にいらしてみてください。

日赤医療センター

H14年入局

私は日本赤十字社医療センターで常勤の医師として勤務していますが、 2009年9月24日に出産を控え産前休暇に入っている状況です(現在は2009年8月12日です)。 3年前に東京逓信病院で働いていた時に長女を出産していますので、今回が2回目の出産です。産後も日赤医療センターで働いています。
子供を保育園に預けながら、外来や手術をこなすのはとても忙しく、肉体的精神的にもつらいことも多いですが、 それでもやっていけるのは室伏利久前東京逓信病院耳鼻咽喉科部長や矢野純前日本赤十字社医療センター耳鼻咽喉科部長、 大田康現部長はじめ、上司や同僚に大変恵まれていて、 くじけそうなときも「絶対仕事はやめないほうがいいよ」 とか励ましてくださったからだと思います。 他の先生たちの理解、サポートがあるので助かっています。

東京大学医学部付属病院

H25年入局

私は、東大病院で非常勤医師(育児枠)として勤務させていただいています。ちょうど今月第二子を出産したばかりで、現在は産後休暇をいただき二児の子育てに奮闘中です。
耳鼻科は、領域に多様性があり、外科と内科両方を含んでいて診断から治療まで自分で行えるところに魅力を感じ、選択しました。耳鼻科医としてはいつの間にやら9年目です。私は入局してから、大学で1年間の後期研修のあと、公立昭和病院、多摩総合医療センター、山手メディカルセンターと都内の関連病院をまわり、忙しくも充実した日々の中多くの経験を積ませていただきました。山手メディカルセンター在籍中に第一子を出産した際には1年2ヶ月もの間産休育休をいただき、右も左も分からないはじめての子育てに専念することができました。耳鼻科専門医もこの育休中に取得しました。
こどもが産まれて以降、さらに現在は夫が単身赴任となったこともあり、当直や時間外勤務に携わることが難しくなってしまいましたが、外来だけでなく手術の執刀や臨床研究への参加もさせてもらい、おいしいとこどりのような働き方をさせていただいています。他の先生方には負担をかけている現状ですが、ありがたいことにお気遣いのある優しいお言葉をかけていただくことばかりです。今の育児と仕事の両立は、教授をはじめ医局の先生方のご理解とサポートのおかげで成り立っているとひしひしと感じています。
医局員には多くの女性医師がいて、今や入局者の約半分は女性です。進路や働き方を相談できる先輩方や同僚がたくさんいることはとても心強いです(もちろん女性だけでなく男性もです)。臨床も研究もバリバリとこなす先生から、私のように子育て中で仕事に制約がある先生、また大学院に進学する先生や開業する先生など様々で、幅広い選択肢の中からそれぞれを取り巻く環境や希望に合わせた働き方をしています。入局後、結婚や出産などを含めて生活環境が目まぐるしく変わっていくことがあるかと思いますが、それに合わせてワークライフバランスを保つことができる医局だと感じています。