講義風景と掛絵
当科初代教授の岡田和一郎先生は1896-1899年(明治29-32年)の4年間ドイツ留学をしています。帰国後は東大耳鼻咽喉科を開講することが決まっていましたので、「三千圓餘の新しき醫療器械と千五百圓有餘の歐米新鋭の著作」を持ち帰りました。明治時代の1円は現在の2万円とすると、総額およそ1億円のお買い物ということになります。
これらの書物の挿絵を大きく描き写し、掛絵として学生教育に用いました。掛絵は1950年頃まで、すなわちオーバーヘッドプロジェクタやスライド映写機が登場するまで使用されていました。