東京大学きこえのネットワーク
東京大学耳鼻咽喉科と同門先生方のクリニックの連携で「東京大学きこえのネットワーク」を構築し、聞こえに不安のある方々に同門先生方のクリニックへ受診いただく契機を作り、必要に応じて東大にご紹介いただき、補聴器・人工内耳によりQOLの向上が期待できる方を少しでも多く見つけることを目標とします。
- 補聴器店・公共施設でのパンフレットの配布・講演会を通じて「東京大学きこえのネットワーク」を一般の方に知ってもらいます。(別紙パンフレット参照)
- パンフレット内に「東京大学きこえのネットワーク」提携クリニックリストを同封し、きこえに不安のある方の受診を促します。
- 提携いただく同門先生方のクリニックで純音聴力検査をしていただき、平均聴力70dB以上の人工内耳の適応が考えられる方を難聴外来にご紹介いただきます。
- 難聴外来で人工内耳の適応を精査させていただきます。
リスト掲載にご賛同いただける先生は右のQRコードからご登録をお願いします。
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ネットワーク構想
東京大学きこえのネットワーク パンフレット
提携クリニックリスト
東京大学きこえのネットワーク ご参加のお願い
同門の先生方には、いつも患者様のご紹介、および逆紹介にご協力いただきまして、誠にありがとうございます。当院難聴外来・人工聴覚器センターでは、これまで小児、成人ともに難聴でお困りの患者様の補聴器、人工内耳装用について積極的に治療を行ってまいりました。山岨教授の退任後新体制になるにあたり、今後もさらなる発展を目指し、改めて成人の高度難聴者の治療を重点的に行いたいと考えております。
さて、2017年以降、成人人工内耳適応基準が「90dB以上」から「70dB以上」に緩和されましたが、補聴器での聴取が悪いにもかかわらず、実際に人工内耳にたどりつけない方が多数いると予想されるデータが多方面で認められます(図1~図3)。
図1 人工内耳の認知度アンケート調査(Japan track 2022)
図2 聴力レベルと最高語音明瞭度の関係
図2 純音聴力と最高語音明瞭度の関係(赤井ら1990改変)
聴力閾値が90dB未満でも最高語音明瞭度が50%以下の症例が多数いることが分かる
図3 100万人あたりの人工内耳手術件数比較(日本のデータを独自に追加)
欧州先進国が2014年時点で15-20件に対して本邦は最近でも10件弱程度でしかない。
また、本邦では海外と比べ補聴器の装用率が低いという現状があります。その根底には日本では、難聴を自覚しても耳鼻咽喉科への受診をしない方が多いという状況がございます(図4)。
図4 補聴器普及率の海外との比較(Japan Track 2022)
日本の補聴器普及率は極めて低く難聴の自覚があっても医師に相談するのは半数以下
このような状況を鑑みて、同門の先生方のご協力を頂き、「東京大学きこえネットワーク」を構築することを計画いたしました。「東京大学きこえのネットワーク」を通じて補聴器及び、人工内耳の適応がある患者を拾い上げたいと思っております。具体的には、添付のようなパンフレットを作成、補聴器店・公共施設などで配布したり、市民公開講座等で情報提供を行ったりすることで、補聴器・人工内耳治療の啓発活動を行います。パンフレットの中に「東京大学きこえのネットワーク」にご賛同いただいた同門先生方の医院一覧を掲載させていただき、きこえに不安があるかたにはまず、提携先である同門先生方のクリニックへの受診をしていただきます。受診された患者に対して先生方が標準純音聴力検査を行い、70dB以上の高度難聴を認めた際には、適宜東大病院をご案内いただく体制を構築いたします。難聴が軽度・中等度で、補聴器の活用が十分期待できると考えられる患者さんにつきましては、先生方のご施設で聴覚管理を続けていただき、適宜補聴器の処方を行っていただければと思います。尚、聴覚関連の診療を積極的に施行されている先生方は高度難聴者に対しても自院で補聴器を処方いただき、効果を確認してからご紹介いただく形でも構いません。もし判断に困る方にがおいでになりましたらば、70dB未満でも東大へご紹介ください。尚、「東京大学きこえネットワーク」を通じた東大への紹介受診は一般外来を通さず、直接難聴外来を予約いただき、優先的に診療できるよう手配させていただきたいと思っております。「東京大学きこえのネットワーク」構想にご賛同いただける先生におかれましては下記ホームページアドレス・QRコード(Google Form)よりご登録いただければと思います。ご登録後、メールにて外来の予約方法など詳細をお送りさせていただきます。ご検討のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。
東京大学きこえのネットワーク提携医院登録サイト
ご参加お待ちしております。
なお提携病院第一弾リストは2023年8月末に作成させていただきました。
パンフレットのほかホームページにても公開しております。今後定期的にパンフレットの改定、ホームページの改定を行ってまいります。ご参加お待ちしております。
東京大学医学部付属病院耳鼻咽喉科 耳コースチーフ・人工聴覚器センター長
樫尾明憲
e-mail: kashioa-tky@umin.ac.jp
第一回きこえのネットワークキックオフミーティング
8月8日に第一回きこえのネットワークキックオフミーティングを開催しました。
東京大学きこえのネットワーク70dB外来について – 樫尾准教授
人工内耳に関する報告 – 小山助教