論文紹介:運動誘発性呼吸障害:診断法と管理について

[気管食道チーム] 今回の論文は、運動誘発性呼吸障害の鑑別方法や検査方法などに関して、ノルウェーのBerge大学、Ola Drange Røksundがまとめたレビュー論文です。

運動によって誘発される呼吸障害をご存知ですか。これまで日本ではあまり取り上げられなかったテーマですが、東京オリンピック前にスポーツ熱が高まっており、それとともに運動誘発性呼吸障害で困る人が出てくるのではないかと予想しています。

論文では、運動誘発性呼吸障害を、胸郭より上のレベル(主に喉頭)で生じるexercise induced inspiratory symptoms:EIISと胸郭内で生じるExercise induced bronchoconstriction (EIB)に分けて正しく判断することが必要と述べています。

EIISとEIBの鑑別方法や診断フローチャートが提示されており、EIISの検査として、耳鼻咽喉科での運動中の喉頭内視鏡検査が重要です。
我々の研究チームでもEIISの検査ができるよう準備を進めています。
 

Exercise inducible laryngeal obstruction: diagnostics and management.
Røksund OD, Heimdal JH, Clemm H, Vollsæter M, Halvorsen T.
Paediatr Respir Rev. 2017 Jan;21:86-94. doi: 10.1016/j.prrv.2016.07.003. Epub 2016 Jul 18.
PMID: 27492717

 

投稿者:上羽 瑠美/ENT-HP1