論文紹介:原発不明頭頸部扁平上皮癌の鑑別診断における口蓋扁桃摘出術の役割:システマティックレビューとメタアナリシス

[腫瘍チーム] 原発不明頸部転移癌に対する口蓋扁桃摘出術の役割についてまとめたレビュー論文です。抽出した14編の論文を元に、システマティックレビューとメタアナリシスを行っています。結果は、原発不明頸部転移癌(扁平上皮癌)と診断され口蓋扁桃摘出術を行った症例で、口蓋扁桃の原発腫瘍を検出した割合を解析し、口蓋扁桃摘出術は高い原発腫瘍検出力(34%)があることが示されました。また口蓋扁桃摘出術と口蓋扁桃の生検とで原発腫瘍を検出した割合を比較解析した結果、口蓋扁桃摘出術は生検よりも約10倍高率に原発腫瘍を検出したという結果が示されました。さらに、頸部転移と反対側の口蓋扁桃に11%と無視できない割合で癌が検出されたため、原発不明頸部転移癌の原発巣探索では両側口蓋扁桃摘出術を勧めるという内容でした。

Pasquale Di Maio, Oreste Iocca, Armando De Virgilio, Fabio Ferreli, Giovanni Cristalli, Raul Pellini, Pawel Golusinski, Giampietro Ricci, Giuseppe Spriano
Head Neck. 2019 Apr;41(4):1112-1121. doi: 10.1002/hed.25522. Epub 2018 Dec 21.
PMID: 30575162

投稿者:坂井 利彦/ENT-HP1